河川法に規定されている徴収金の延滞金と地方税の延滞金との整合性

河川法第74条
地方税法第326条等

 河川法の占用料等の延滞金については、河川法74条第5項に規定されている。その規程方法は、
「河川管理者は、第一項の規定により督促をした場合においては、政令で定めるところにより、同項の負担金等の額につき年十四・五パーセントの割合で、納期限の翌日からその負担金等の完納の日又は財産差押えの日の前日までの日数により計算した延滞金を徴収することができる。」
(河川法施行令第三十九条 法第七十四条第一項 に規定する負担金等の納期限後にその額の一部につき納付があつたときは、その納付の日以後の期間に係る同条第五項の規定による延滞金の計算の基礎となる負担金等の額は、その納付のあつた額を控除した額とする。)

 税との違いは、①率が異なる、②特例期間の規定がない、③財産差押えの日で延滞金の計算がストップする、の3点がある。
 ①と②については、自治体が実際に料金を徴収する際には条例に規定しなければならず、再度その条例で延滞金率等を規定することになる。その際に税の延滞金率との整合性を考えて、最大延滞金率はそのままで、一定期間の延滞金率を半分にしたり、特例基準割合に準ずる延滞金率に低減する、また平成25年税法改正による延滞金率の低減に準ずる形での延滞金率とする、等については、法律を超えるような不利益を市民に与えることではないため、自治体の判断として低減策を講じることは可能と思われる。
 ③については、大戦直後の税法までは同様の規定があったが、シャウプ勧告に基づく法改正の際に廃止された。この規定を無視して、税法のように差押後も延滞金が増加し続けることとした場合、河川法で想定されている額を超えた延滞金となる可能性があり、その場合には法令違反と判断される可能性が高い。よって、この点についてのみ、税法に準じた取扱いに変更することはできないと思われる。

 なお、「督促状に指定した納入の期限内に納入した場合と、それ以降との場合を条例の規定により延滞金の額に軽重の差を設けることはさしつかえないが、地方税法の規定による税の延滞金及び延滞加算金の額との均衡を失しないよう措置することが適当である」との行政実例(地方税法第231条の3関係、S35.12.27)がある。