納期前納付された地方税に対する還付請求

地方税法第17条の3

 地方団体の徴収金は、基本的には納付額が確定し、条例で定められた納期の間に納付される。
 納期とは、住民税であれば地方税法第320条の規定により条例委任され、納期限前10日であったり、1カ月程度設けられている。本来であれば、この期間内に納付してもらわなければならない。
 しかし、実務的には納期前に納税通知書を送達することが多く、定められた納期外でも納付することが可能である。
 さて、納期前納付された地方税に対して、納税義務者から「勘違いして全額納付してしまったため、納期未到来分についてお金を戻してほしい」という申し出に対して、どう対応すべきか。

 このような場合は、地方税法第17条の3第1項の規定により、納税義務者は還付請求することができない、と規定されている。
 表面的には、支払い義務が成立していない弁済であるため、還付すべき債権に見えるが、納付義務が成立していることから、本規定により、納期前納付を適法な納付であることと定義し、自治体においても問題なく収納できるようにするための規定でもある。